heartbreaking.

中年の末路とその記録

ネットで注目を集めるのは極端な主張であり、単純な主張

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BBCワールドニュースで以前放送のあった「ハード・トーク HARDtalk」 で、アメリカの長編小説家のJonathan Franzen 氏がゲストの回を、特に重要な部分のみ書き起こした(概ね日本語通訳通り)。内容は、ネット活動歴の長い方はいわれるまでもなく気づいているようなことですが。

今のソーシャルメディア・デジタル時代について。

ネットは強権政治のような面があり、集団思考におちいる。全体主義とのつながりといったものを表現していて、旧ソ連の共産主義なるようなもの。

ネット・ソーシャルメディアについての批評というのは、経済的・構造的に収益事業だと思っている。一部の極めて利益率の高い仕組みに牛耳られている。ITの大手アマゾン・フェイスブック・アップルです。
インターネットは経済体で、一瞬で注目をひくようなコミュニケーションがもてはやされる。
注目を集めるのは極端な主張であり、単純な主張です。
複雑な考えをもっていて短くはいえないようなものはクリックされないということですから、それはネット界では奨励されないです。
つまり、インターネットが文化を大衆化している、低俗化の表層ということです。
極端な主張・論争を呼ぶようなものが好まれているように作られているんです。民主化の道具だと言われていますけれども。
参加者たちは、ある経済圏に組み入れられていて、自分たちの信条が補強されるだけという仕組みになっている。
対立する見解の間での議論を進め、着地点を探すようにはできていません。

これはブログ活動にも適応できる考え方だと思った。本物の文章が見つけにくくなってしまっている、まがいものだらけの中で、本当に価値があると信じている文章を、このインターネット上で守ってゆきたいと思うのなら、低俗化に加担する人々に対しては、徹底的な無関心を貫くべきだと思っている。

自費出版の流れについて

音楽・出版界でアマゾンを見てください。出版の民主化に貢献していると言われています。
自費出版など促進している。作家が売り込みやすくなっている。そして読者の評価もみることができるので、これまでの評論家ではない視点もあるとしています。
これはかつてない文学の解放につながっているという評価もあります。
アマゾンのプラス面は大きく、文学を身近なものにしました。いわば出版革命をもたらしたとも言えるでしょう。読者層の拡大につながっているわけです。

そうでしょうか。彼らはそう言うでしょうけれど、あなたはそう信じますか?
読書の文化とは何百年も反映してきたのですよ?
直すほど壊れているのでしょうか?

本物の文章打つ人たちから見れば、自費出版の流れによって、勘違いの輩が増えてきている嘆かわしい状況なのだろうか、それとも脅威を感じているのに皮肉のオブラートで包み隠しているのだろうか… いいえ、個人の人生こそ最高の文学なのですから、ちょっとでも自信があるのなら皆、書籍を出せばいいとおもうのです。売れない本は売れないのですから、誰に迷惑かけるわけでもないでしょうに、心が狭い考え方は格好悪いですよ(個人ブロガーの文章の書籍化など意味がない、のような意見を、わざわざ言いたがる方って、なにが目的なんでしょうね)。

ちなみに、テレビの出演者の会話を書き起こしてブログに掲載することに問題があるかどうかについて。

テレビやラジオ、あるいはネット動画で著名人らが話した内容を活字に書き起こし、インターネット上で紹介する人が増えている。
放送のネット“文字おこし”は問題あるの? (THE PAGE) - Yahoo!ニュース
ぼくの予感だと、「公開された音声コンテンツは勝手に書き起こされるのが当たり前」になっていくのは、そう遠くない未来です。そうなったとき、「書き起こし」という新しいコンテンツジャンルが世の中に生まれるわけです。というか、すでにそれは生まれつつあります。
「部外者」は著作権違反について騒ぐな:テレビ・ラジオの書き起こしは流れになるよ まだ東京で消耗してるの?

最近イケハヤさんの記事紹介が多いですが別に信者ではないです。