heartbreaking.

中年の末路とその記録

この世は、幸せを掴んだ人々だけの楽園ではない

自分が経験してみると、許せるようになることもあるのかもしれない。経験できないものは、許しようがないというか、わからない世界になるので、どうしても突き放すしかなくなる。自分を守ることが最優先だから、それは仕方ない。

離婚してバツイチになって今は一人でも、結婚していた時期もあったということが、心の支えになってるのかもしれない。だから子供の話は苦手でも、誰かの結婚生活の幸せな話や、恋愛の話は耐えられる(それでも学生の恋愛や、自由奔放すぎる恋愛については、どうしても許せない、などといった譲れない拘りもある)。

まだ恋愛や結婚できないままに孤独に生きている人が、俺の文章を読んで不快だと言うのならば、それに対しては、謝る。俺が、そうした人に対して逆切れしたり、怒る理由がないからだ。

世の中はいつでも、心のよりどころのない人々に対しては、無条件に優しくなければならないと思う。

何かを得た人よりも、何も得られない人のほうを優先して、国に救っていってほしいと願っている。

何かを得たのにそれを失った人というのは、最初から何も得られない人に比べれば、まだまだ絶望感が足りないと思っている。

一番つらいのは、最初から何もないことだからだ。機会があるのなら、是非、そうした人々の話に耳を傾けてみてほしい。いまの現状に納得できていない貴方が学ぶべきことがある。

何かを得た人や、成功者の意見よりも、何も持たない人の意見のほうにこそ、学ぶべき要素が多い。

何故かというと、それは、まがい物のない、その人そのものの持つ意見であるからだ。一人で、生き続ける中で、導き出した答えだからだ。一人の人間が己が内面と真摯に向き合い続けてきた結晶であるからだ。

この世は、幸せを掴んだ人々だけの楽園ではない。

幸せにはなれなかった人間にだって、心穏やかに暮らす権利がある。そのささやかな平穏すらも乱そうとする者がいるならば、それは間違っている。

あなたのほうが間違ったことをしているのだと、はっきり言える世の中に変えていったほうがよいとおもう。それが敷いては、未来の犯罪を防ぐことにも繋がってゆく。口を閉ざすしかない者の心を、強引に窮屈に閉じ込めさせたままで、それでお前らのこさえたガキ共の未来に希望があるとおもっているのならば、それは間違いだ。

幸せそうに見える人々ばかりが、自然と風景の中で浮き彫りになってくるので……世の中がそうしたものばかりであふれているような錯覚をしてしまいそうだが、実はそうでもないってことに、なかなか気づけないでいる。

恋愛できない人。結婚できない人。子供を持つことができない人。いるんだけど、あまり気付かれない。オプションが足りていないからだ。恋愛や結婚が与えてくれる、一人じゃないという心の強さ。子供が与えてくれる未来へつなげる希望。……それらが欠けているだけで、風景の中に埋没してしまう。三つの活力に満たされた人々の存在ばかりが浮き彫りになり、嗚呼、世の中はこんな人々ばかりなのか、これが普通なのかと思いそうだが、実はそうでもないってことに、案外気付けないでいる。たとえ同じ苦しみを持つ者同士であっても、お互いの存在を影のように変えながら、気付けなくなる……得られないものが放つ輝きがあまりにも、この目に眩しすぎるからだ。

他人の幸せと比べずに、自分らしく生きることを、いくら実践してみようとしても、それは無理だとおもう。人々が共存する限り、必ず誰かの幸せが、それを得られない誰かの心を無自覚に傷付けている。どの企業に勤めていても、恋愛や結婚、子供の話は必ずついてまわる問題で、それを避けることなどほぼ不可能で、まだまだ個性のある生き方など全然認められた日本にはなっていない。

到底得られぬ幸せを目の当たりにするたびに、心の痛みを麻痺させ、儚い笑顔を見せることしかできない、その心を救うためには、幸せを得られた人が自分語りが主目的のつまらない雑談をやめて、お互いが心地よく過ごせるための共通する話題を見つける優しさをもつことで解決できる。

一緒に過ごしている人がまだ経験したくてもできないような話(たとえば恋愛や結婚など) を慎むだけで良い。簡単なことであるのに、それをせずに、相手の心を破壊しても、自分の話を続けたい我儘な人がいる。

スマホに撮ってある、子供や家族との笑顔の写真をわざと、孤独であることが明白な相手に見せることをやめない人がいる。俺はそうした人間たちが大嫌いだし、消えてほしいと願っている。

俺は、独身の友達の前では、お互いが共通して楽しめる話題だけで時間を埋める努力をしている。相手が向けてくれる笑顔が、本当に俺と一緒に過ごしていて良かったと思ってくれているようなものだと確信を持てたときには、俺も幸せで満ち足りた気分になる。

貴方の笑顔が見たい。貴方に幸せになってほしいと願う。また、話を聞かせて欲しい。